
マンション投資通信をお届けします
同族会社とは会社の株主のうち上位三人以下の株主(その同族関係者を含む)の持株総数が五〇%以上となる会社をさします。
このような少数株主に支配されている同族会社は、株式を公開している上場企業と異なり、同族会社以外では考えられない特異条件で取引が成立したり、オーナー経営者の利害が会社の諸取引に関係してくることが往々にしてあります。
そこで、取引が法的に正当であっても、結果的に法人税を不当に減少させていれば、税務署長の判断で更正されてしまいます。
注意すべき点は、第一に、この考え方は、何も同族会社と株主や役員との間の取引だけでなく、関係会社や第三者との取引についてまで対象としている点です。
第二に、どんな場合に「不当に減少させている」と判断するのかという点です。
しかし、税法の適用要件が一般的すぎるため、会社としては、過去の判例を参考にしたり個別に税務署と対応してゆくしがありません。
参考までに法人税通達(旧)に示された例をあげると、資産の高価買入、資産の低額譲渡、過大報酬、無償または低率の貸付金や賃借料、過大貸付や高額の賃貸料、不良債権を肩代わりする、債務を無償で引き受ける、さかさ合併による繰越欠損金控除などです。
なお減価償却費、引当金の計上額を調節したり、役員賞与にかえて所得税法上有利な利益配当にすることなどは、行為計算の否認の対象とはなりません。
もっとも、この「伝家の宝刀」を定めたころと違い、企業の租税回避を防ぐために、条文や通達が整備され、この宝刀を抜く機会はなくなってきています。
それでも宝刀をしまっておきたいのがお役所らしいところです。
同族会社に対してはこのほかにも、当期稼いだ所得から必要以上に配当や賞与をセーブして同族関係者の所得税課税を避けようとするのを防ぐために、一定額以上の金額を会社に蓄積した場合に適用される留保金課税が用意されています。
また、役員賞与が税務上費用にならないことから、同族会社の株主が経営にタッチしている場合には、身分は従業員(使用人)でも税務上は役員とみなすことになっています。
技術革新が著しい生産設備については、早期償却が必要です。
旧式化した現行耐用年数のもとで、いかに早期償却するかが問題となります。
工場の税務調査で、もっとも問題とされやすいのが「修繕費」です。
認されると当期の費用とはならず、将来何年もかけて費用化しなくてはなりません。
修繕費の考え方を整理してください。
従来から採用していた減価償却方法や棚卸資産の評価方法を見直すことも一考すべきです。
ただし、変更にはかなりの制約がついているので注意してください。
円高対策で製造業を海外にシフト(グローバル化)する戦略がありますが、インフラをけじめとして安定した経営環境を考えると、国内製造業の堅持は決して忘れてならないことでしょう。
さて、同一業種のメーカーを複数比較したところ、ある会社の決算書の当期利益は他社と比べて抜群によいのです。
原因を調査してみると、その会社は新規の設備投資を極力避けて、老朽化した設備を効率的に使用して生産していることがコスト競争力に差を付けていることがわかりました。
果たしてこの会社が優良企業かというと判断が分かれるところでしょう。
次世代への設備投資を怠り、当期利益をすべて株主への配当と役員賞与と国庫への税金支払いに向けたとしたらメーカーの明日はないことになります。
通常、機械装置や車両といった固定資産は年々の使用に応じて価値が下がっていきます。
それらが使用不能となったときや陳腐化したときは、売却・廃棄をして新しい設備に取り替えなければなりません。
そこで税法は、固定資産(土地を除く)の取得価額(購入価額)を購入時に全額費用処理するのではなく、耐用年数の期間に配分して費用計上(これを減価償却と呼ぶ)します。
耐用年数とはひとくちでいえば、建物や機械の使用可能期間です。
減価償却費は税法上の損金に算入できますから、もし減価償却費を早期に、できるだけ多額に、しかも税法に反しないで計上できれば、設備更新のための内部留保を早めるだけでなく、大きな節税につながります。
そのため一番効果的方法は耐用年数を短くすることです。
ところが、耐用年数は大蔵省で法定しているため勝手に短くすることはできません。
しかし、大蔵省の耐用年数は、昭和二六年当時の設備投資のレベルを前提として定められ、その後、若干の改定はされたものの全般的見直しは行われていないのです。
現在の技術革新のスピードは昭和二六年当時とは比べものにならず、現行耐用年数の体系では円高時代の国際競争力の要求に対応しきれなくなっているのは明白です。
減価償却が未了のうちに設備に陳腐化が生じ、固定資産除却損や売却損を計上している企業は、それまでの減価償却が不足していた可能性がありさらには製品の製造コストが実態より低めに計上されていたことかもしれません。
たとえば、半導体製造設備の税法耐用年数は五年となっていますが、実際には、三年くらいで減価償却していかないと技術革新についていけません。
このため税法の耐用年数を使わずに会社独自の耐用年数を使って減価償却している企業も多くみられます。
ところが、税法より短い耐用年数で減価償却しても税法上認められず、税金負担は競争力を妨げています(有税償却という)。
特別償却というのは、国が特別の経済政策的見地から、特定の産業の保護育成や投資の促進を狙って、法人税法に定めている減価償却(これを普通償却と呼びます)のほかに特別の減価償却を認める制度で、租税特別措置法に定められています。
会社決算に当たって、利用できる特別償却がないか、毎年検討する必要があります。
優秀な経理マンは毎年税制改正の時期に、自社に関係する特別償却がないか条文を首っ引きで探します。
特別償却の特徴は、国が認める節税策である、すべての会社が使えるものではない、適用初年度の節税効果はリースを上回る、減価償却の総額が決まっている以上、次年度以降普通償却費が減少するために節税分を取り戻される、事業に使った年度に申告が条件であることなどです。
特別償却にも二種類ある=特別償却にも、初年度特別償却と割増償却の二種類あります。
初年度特別償却とは、機械や建物などを初めて事業用に使った事業年度にだけ、取得価額のたとえば三〇%を普通償却とは別途に特別に償却計上できる制度です。
割増償却とは、建物、貯蔵施設や機械などを初めて事業用に使った日以降一定期間にわたって、普通償却額のたとえば二五%といった一定率をかけた金額まで、普通償却とは別途に計上できる制度です。
特別償却は一年間繰り越しできる=健全経営を目指す会社でも、特別償却の適用に二の足を踏む場合があります。
初年度に特別償却を実施するとその期の申告所得が赤字になってしまうときです。
そこで、租税特別措置法では、青色申告法人に限って「特別償却不足額の繰り越し」を認めています。
事業用に使用した年度に特別償却を一部計上し(または全額計上しないことも可能)、翌事業年度に残額を計上することができることになります。
しかし、そのためには申告書で「繰り越し」の意思表示をしておくことが必要です。
この申告書の手続きを忘れたために、翌年、メリットがとれないために思わぬ多額の税金を納めているケースもありますので注意してください。
特別償却は利益処分でもできる=特別償却は、会社決算書上で償却費としてその期の費用に計上することも、株主総会の利益処分で計上することも可能です。
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